管理釣り場を開きたいと思うのはカンツラーなら珍しくもなく、私もその一人。
実際に開くとなるとお客様を呼ぶわけですから場所の選定には本当に悩みますよね?
そもそも場所が決まらないからこれまでのらりくらり過ごしてはや10年なんて方も多いかもしれません。
そもそも管理釣り場を開くためには大きく分けて2種類
『土地を開拓して釣り場を1から作り上げる』
『すでにある釣り場の居ぬきから整備』等々
※ほかにも様々な方法があるかと思います
実際によく聞く事例としては営業中の常連のお客様が引き継ぐなんてのも聞きますね!
詳しいお話はできませんが『TABIMASU BASE』は後者が近いかもしれません。
場所選定はいろんな問題点を含みますのでいくつかご紹介
・交通の便は良いのか?
・ライフライン(飲料水や電気)は確保できる?
・夏場の水温は営業可能な範囲か?
・水の引き込み方法は?
・仕入れ可能な養魚場との距離は?
ざっとですがこれらは考えておかねばなりません。
交通の便は誰もが考えますが、それ以下の項目にはしっかりとお金がかかってきます、そのあたりを考慮すると・・・
なかなか場所なんて決まりませんね
ちなみにTABIMASU BASE』は・・・あれ?やっぱり無謀?
さぁ、潤沢に資金のある富豪のあなた!この項目は鼻で笑っちゃいますから飛ばしてお読みくださいwww
さて、場所が決まれば次に何を検討しますか?そうワクワクの『コンセプト』の検討です。
※このワクワクが最大の敵になります。
誰しも釣り場を始めたければ考えてしまいますよね?
・どんな施設にしようかな?
・どんな魚種を入れようかな?
・魚のサイズはやっぱり・・・
・めちゃくちゃ釣れる感じが良いな!
はい、私もいろいろ悩んでます(現在進行形)
現在進行形の私がここでお伝えしたいのは、初めに書いたワクワク『コンセプト』はいったん置いときましょうということです。
なぜなら、営業開始後でも変えられますし・・・
実際の設備を最低限使える形に補修するのにお金が羽ばたいていきます・・・
その上でワクワク『コンセプト』ばかり追いかけていますと・・・
TABIMASU BASEのようになります・・・あれ?やっぱり無謀だった?
先に申しました潤沢な資金をお持ちの富豪様におかれましては・・・問題なし
さて、現在絶賛準備中のTABIMASU BASEですが、正直人力では何をどうしても解決しない事が多いです。
当然一から池を掘り、釣り場自体を作り上げるのは個人では現実的ではなく、資金が必要。
居ぬき状態からならできてるから必要ないよね?と思う方もいらっしゃるのでは?
それが、全くそうではなかったわけです。
ザックリですが今私が必要に感じてる『物』を少しご紹介しましょう
・軽トラック
・刈り払い機
・重機(ショベル等)
これ、簡単に買えます?※刈り払いくらいは買えますね(笑)
ただし、居ぬき状態にもよりますが、引き継いで良かった物もたくさんあります。
・トイレ設備(百数十万)
・ストック池設備(百数十万)
・水道用井戸ポンプや配管(十数万)
・建屋(数百万)
・端材・木材(十数万)
・魚用のタンク(数万)
あげたらきりがないですが、これらは状況によって自分で構築しなければならないので大変な事ですね
あるものはしっかり綺麗に整備して利用する、それが最大の節約ですね!
さらに個人で持っていたことで助かった物はDIY用工具や部材ですね!一式とは言いませんが少しだけあったので非常に役立ってます。
必要なものは借りながらでも対応できますが、いずれは買わなければいけないですね~。
要するにたとえ居ぬきでも資金は大量に必要ということです。
まいっちゃいますねぇ~
いやいや片付けなんて普通にできるでしょ?
いいえ
想像を超えます
現在営業されている管理釣り場の多くは開業およそ10年~30年程度は経過しているのがほとんど(旅鱒概算調べ)です。
当然運営者の方もお客様の為に綺麗に維持を頑張っていらっしゃることと思います。
が・・・
見えない所がそれはもう大変!!!
管理釣り場は自然環境を利用しているので当然いろんな虫も多いわけです。
また、長年にわたって経営をされていると様々物も増えます、いつか使うだろうもの(大半は使わない)なんかも多く倉庫や建屋に眠っています。
また、閉業後時間の経過している釣り場ではいろんな生物(先住虫)が住み着いて毎日平和に暮らしております
そういったものは想像を超えて気合を入れなければ全て手が付けられません。
こちらも実際にTABIMASU BASEで起こった事例として
・建屋の外内壁の間(隙間)にスズメバチが住み着いていた
※プロにおまかせ対処済み
・荒れ果てた物置に眠る大量の布製品の中に数億匹の蟻さんとその卵たち
※数億は言い過ぎかもですがこちらも対処済み
管理者にもよりますが、見えない部分ですので完全放置で営業スタートしてもまぁ良いのかもしれません※蜂は絶対に放置はダメですが・・
ただ、都会から自然を感じるために来られるお客様や、自分自身の居心地も大切なので今回は対処したわけです。
蟻の件は地獄絵図すぎてお見せできません!!
それも実際に自然環境だからこその事ですので仕方なし、むしろ環境を荒らしてるのはこちら側ですしね~
そんなわけで、ここでいうお片付けが日常のお片付けとは違うということをお伝えしたかったわけです。
これは熟練カンツラーの方は「あ~そうだよねぇ」なんて感想になるかもしれませんが、現在管理釣り場業界では空前の魚不足が続いています。
普通に釣りを楽しんでいる方、それは各管理釣り場の企業努力の賜物です。
そのことをしっかりと理解していただければ多くの人が『魚の取り扱い』に注意を払うようになるかと思います。
さて、この記事を書いている瞬間はTABIMASU BASEの魚の手配は完了・・していません(笑)
※打ち合わせ等は進んでおりますのでご心配なく(誤解なきよう)
管理釣り場の魚のほとんどが養殖魚となり、当然生産者から買い付けて放流されていますが最近では管理釣り場の釣り愛好家(カンツラー)が増えており業界的にはうれしい状況かもしれません。
ルアーメーカーさんを含めた釣具メーカーさんや釣具屋さん、管理釣り場を主とするグッズの売れ行きは良いのではないでしょうか?実際の所はわかりませんが・・・(タビマスルアーもよろしくね・///)
しかしながら、実際にお話を聞くと管理釣り場さんからは悲鳴しか聞こえてきません(旅鱒概算調べ)
・管理釣り場は釣れなければお客さんが来ません
・釣れる釣り場は当然魚が多いです
・生産が追い付かない状況から魚が高騰しています
さて、この状況皆さんはどう感じますか?
魚の高騰は様々な状況の重なりですので一概にそうとも言い切れませんが、現実魚は高いのです。
故に先に申し上げた通りたくさん魚が釣れている釣り場さんは本当に企業努力の賜物というわけです。
それほどの魚不足、高騰のつらい状況でスタートを目指す我が『TABIMASU BASE~yanagisawa~』ですが・・・
『楽しみ方を魚だけに求めない』
『釣りを通して自らが楽しむ時間を作る』
をテーマにし、実験的に運営していきたいと思っています。
100匹釣れた方、それは釣り場が高い魚を100匹以上買っているってことです。
80cm超えが釣れた方、それは80cm迄育てるため時間をかけた高級魚を買っているってことです。
それは大きな魅力ですが冒頭から申しているように、数を入れるのも大きなサイズを入れるのも魚不足の状況では『あたりまえ』とはいきません。
釣りを楽しむ私を含むカンツラーの『管理釣り場の楽しみ方』のありかたもアップデートしていく状況が来ているのかもしれません。
TABIMASU BASEが変革のきっかけになるとは到底思えませんが、少しでも共感を得られる釣り場を目指していけたらなと思います。